痛風と日常生活(ベストアドバイス)

通風の方はまず食事に注意が必要です。
①肥満を解消しましょう 
糖質や動物性脂肪を控え、全体的なカロリーを抑え、野菜を摂り入れたバランス良い食事をしましょう。以前は、痛風の原因は「プリン体」にあると言われてきましたが、最近では「摂取カロリー」に問題があると言われています。 
ゆっくり時間をかけて食べることも大事です。早食い、大食いは肥満のもとです。
また、食事を極端に減らすことも尿酸値が上がる原因になるそうなので、極端なダイエットにも要注意です。 
②プリン体を多く含む食品の摂取は控えます
①でも書いたとおり、現在では「プリン体」よりも摂取カロリーが問題視されることが多くなっていますが、尿酸は水に溶けにくく排泄量が少ないことから、プリン体制限も必要となります。食品中のプリン体は細胞中に存在しているため、ほとんどすべての食品に含まれます。特に多い食品としては、細胞数の多い魚・肉類の内臓類(あん肝、レバーなど)や、いわし・うに・かになどがあります。
また、プリン体は水に溶けるので、肉や魚からとったスープに多く含まれます。
濃厚な鶏がらスープ・とんこつスープなどは注意が必要です。
プリン体の多い食品と少ない食品(mg/100g)
【極めて多い (300mg~)】 
鶏レバー、マイワシ干物、イサキ白子、あんこう肝酒蒸し、鰹節、煮干し、干し椎茸 
【多い (200~300mg)】
豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシ、大正エビ、マアジ干物、さんま干物 
【少ない (50~100mg)】
ウナギ、ワカサギ、豚ロース、豚バラ、牛肩ロース、牛肩バラ、牛タン、マトン、ボンレスハム、プレスハム、ベーコン、ツミレ、ほうれん草、カリフラワー 

【極めて少ない (~50mg)】
コンビーフ、魚肉ソーセージ、かまぼこ、焼きちくわ、さつま揚げ、カズノコ、スジコ、ウインナソーセージ、豆腐、牛乳、チーズ、バター、鶏卵、とうもろこし、じゃがいも、さつまいも、米飯、パン、うどん、そば、果物、キャベツ、トマト、にんじん、大根、白菜、ひじき、わかめ、こんぶ 
(参考・総プリン体量:高尿酸血症・痛風のガイドライン 2002年版)
②水分を十分にとる
水分を十分とって尿を多くすることにより尿酸の排泄量を増やします。
一日の尿量が2リットル以上になるよう水分補給してください。
特に就寝前の飲水は効果的です。
特に夏の暑い時や運動後は、水分が汗となって体内に出るため、尿が不足しますので、水分を多く摂りましょう。
ただし、糖分の多いものやビールは、尿酸値を上昇させたり、痛風を悪化させますので気をつけましょう。
③野菜を十分にとる
尿は食事のとり方により酸性・アルカリ性が多少変化します。
尿酸はアルカリ性~中性によく溶けるので、野菜、いも類、海藻類などのアルカリ性食品を十分にとり、尿をアルカリ性に保つことが必要です。
特に、クエン酸を多く含む柑橘類(みかん、レモン、梅、グレープフルーツ、酢など)、海藻や緑黄色野菜が良いようです。
新鮮な野菜の摂取は、水分補給にも役立ちます。
ただし、果糖の過剰摂取は尿酸値を上昇させますので、果物はとり過ぎないように気をつけましょう。
④アルコールは控えます
アルコールの摂取は原則禁止です。
アルコールをとりすぎると尿酸の排泄が悪くなり、尿酸値を上昇させます。
またアルコール自体エネルギーが高く、食欲増進にもつながります。
ビールは麦芽由来のプリン体を多く含んでいるので注意が必要です。
⑤一日の食事は栄養バランスを考え、3食規則正しくとりましょう
毎食、主食・主菜・副菜を組み合わせてとり、バランスを保ちましょう。
⑥食塩の多い食品は控えましょう(高血圧)
高血圧は、痛風に頻度の高い合併症です。味付けも、うす味にしましょう。
《日常生活の注意》
①外食はエネルギーの高いものが多いので、選び方に注意しましょう
主食(穀類)・主菜(肉・魚・豆腐など)・副菜(野菜類)のそろった外食を選びましょう。
②適度な運動を心がけましょう
適度な運動は、肥満、高脂血症、高血圧などの改善に効果があり、痛風治療に役立ちます。
しかし、急激に激しい運動をすると、体内での尿酸の合成が促進されて一時的に尿酸値が上昇します。その上、運動の結果産生した乳酸によって排泄も抑制され、体内の尿酸が増加します。
また、大量に汗をかいて血液が濃縮されることによっても尿酸値は上昇します。
適度な運動を心がけることが重要です。
③ストレスをためないようにしましょう
痛風の発作はストレスがたまっているときに起こりやすいといわれます。
十分に休養して、ストレスを上手に解消しましょう。
 黒酢と痛風
黒酢に限らず、いわゆる食酢といわれる酢のPHは、酸性です。それもPH2ぐらいの強酸性です。酢はこの強酸性によって殺菌力を発揮することによって私たちの食文化を支えてくれているんです。
そして、その強酸性の酢が、体内に入るとその酢酸やクエン酸が分解されることによって私たちの尿をアルカリ性にしてくれます。黒酢が酸性なのにアルカリ性といわれるのはこのためです。
痛風の原因物質に尿酸があります。尿酸は酸なのでアルカリ性の尿によく溶けます。そのため、尿をアルカリ性にすることで、体内の尿酸の排泄を増加させることができ、その結果、血中の尿酸値を低下させることが出来ます。実際にクエン酸は治療薬として使われています。黒酢は尿をアルカリ性にすることで痛風対策に効果をもたらしてくれるんです。
黒酢に含まれるメラノイジン(色素)には、「赤血球変形能改善作用」があり、臨床試験で血行をよくする効果が確認されています。また黒酢には血管を軟らかくするヒスチジンが一般的な米酢に比べ、約15倍も含まれています。このために、黒酢を摂ると細い毛細血管でも容易に血液の移動が出来るようになるため、血流の改善効果を期待できるんです。
私たちの体内細胞は弱アルカリ性の環境で正常に機能します。そのため血液や体液は基本的に健康な人であれば、そのpHは7.4程度で変わることはありません。それを維持する機能が体には備わっているんです。
ところが、血液の3倍もある細胞外液という細胞の外側の液があるんですが、最近になって、そのpHは7.4~6.8と変動が大きいことがわかってきたんです。
細胞は活動すると必ず酸性物質を排出します。血液はそれらを運び出すことによって常に一定のPHを維持してくれるんですが、血流が悪いとそれができなくなります。
そうするとその細胞の周りの液は酸性になり、その細胞の活動を阻害してしまいます。これが様々な症状となって私たちを苦しめるわけです。
黒酢は赤血球を変形させ、さらに血管を柔らかくすることで赤血球の直径よりも細い毛細血管の中でも容易に血流を実現することで、体内のpHを維持しそれぞれの細胞の活動環境を最適なものにしてくれるんです。つまり、黒酢は尿だけでなく体液もアルカリ性にしてくれるんです。